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 翻訳の仕事は言葉から言葉への変換作業。ところが、猫⇒CATのように毎回ぴったりと合う単語が見つかるとは限りません。双方の文化の相違から来る表現の食い違いや、対応する言葉やモノ自体が無い、ということもまま起こります。そんな時は翻訳者が相違工夫して何とか対訳を起し、日本人スタッフが同義語であるかどうかを最終チェックする必要があります。

 さて、以前あったものでもっとも顕著な例は、固有名詞や慣用句ではないかと思います。「だるまさんがころんだ」や河童とか鬼とか日本固有のモノが出て来ると、かなり表現に悩みます。また、とある人物のプロフィールに、定番の「私の座右の銘は・・・」なんて原稿があることもあります。これがストレートに「千里の道も一歩から」など万国共通の観念であれば良いのですが、わざわざプロフィールを載せるからには皆様そう簡単なことは書いてくれず、たまに凝った感じで「成せばなる・・・」とか更には「風林火山」などと書かれていた場合、こちらも相当頭を絞ることになります。

 この場合の対処法は3つあります。


その(1)・・・元の語句を活かしたい場合

 敢えて日本語を直訳して、その後ろに説明を入れてあげる方法です。読む側には少しまどろっこしいですが、相手に自国の文化を知ってもらう分にはとても有効です。上の風林火山を例にすると、幸いこの出典は中国の孫子の書ですので、確立された英訳があるようで・・・

Whirlwinds, Forests, Flames, and Mountains. Let your rapidity be that of the wind, your compactness that of the forest.  In raiding and plundering be like fire, and immovable like a mountain.

 となります。これだけなら、それほど問題はありません。ただこれだけでは、読む側にとっては企業の経営者が座右の銘として選んだ事を、不思議に思うことでしょう。もし本当に理解してもらおうとしたら・・・

「これは、中国の兵法家、孫子の書の中からの抜粋で、武田信玄という戦国時代の日本の武将が、戦の際に掲げる旗頭として使いました。武田信玄は、その強さと支配地の運営がうまいことで有名な為、日本の経営者の中にはその崇拝者も多く、特に企業の運営において迅速性、安定性、積極性を上手く発揮するとの意味合いで使われます」

 とでも英語で付け加えなければなりません。
 結局「座右の銘:風林火山」と言う短い文章が、英語にすると何十行という長さになってしまいます。実際のところ、これほど長くすることは不可能で、ある程度の理解が得られる適切な長さをクライアントと相談しながら決めることになります。少々下世話な話になってしまいますが、クライアントから頂く料金は、文字数やストローク数で決めることになりますので、クライアントの意思を確かめずに極端に長くすることは、不可能です。


その(2)・・・相手の文化に合わせて該当する諺や表現を引用してくるやり方


 こちらはそれほど新鮮味はありませんが、ぱっと見て直ぐに理解して貰える利点があります。問題は、それが見つかるのか、どうかです。この場合は日本語にも、英語(或いはその他の言語)にも堪能でなければ、なかなか適切な表現はみつかりません。

 ことわざで言えば、 「百聞は一見にしかず」"Seeing is believing" は、少し英語を勉強した人には簡単に判るでしょうが、 例えば、 「牛に引かれて善光寺参り」"Goslings lead the geese to water" となると、なかなか見つからないとおもいます。更に全く見つからないことわざの方がずっと多いでしょう。



その(3)・・・完全に意訳してしまう方法


 その(1)のように直訳した後に説明文を入れるよりも簡潔にまとめられる分、わかり易く、よく用いられる方法です。また英語圏で、くしゃみをした人に使う"God bless youやBless you"などの表現は、完全に意訳する他ありません。よく聞く言葉で、実際に海外で使ったり、言われたりした人も多いこの言葉の由来は、くしゃみをした時に飛び出したその人の魂を悪魔から守るように、とのおまじないだそうです。翻訳としては、意味から言えば「神のご加護を」などにするべきですが、日本語としてスムーズに通すには「お大事に」程度が無難でしょうか・・・。もちろん語源や本来の意味などは飛んでいますが、既に宗教色よりも日常生活の一部としての機能が強いようです。それにしても魂を悪魔から守る、というのは「誰かが噂をしている」と比べると全く違う発想ですね。

 対処法を3つほど説明しましたが、どれも一長一短で、そのなかで、キリスト教圏の常識を背景にした言い回しを仏教国の言葉にしようとする、あるいはその逆の場合など、自然な英語でかつ意味もニュアンスも正しいものとなるとなかなか見つからず、その度に四苦八苦しています。

 最後に今回のまとめとして、これから翻訳者を目指す方へのアドバイスをするとしたら、外国語の勉強と一緒に、母国語の勉強とさまざまな知識の蓄積が翻訳には必要だということです。